お薬まめ知識
No.HP002
 
薬の知識 薬の種類と使い方(2)


外用薬(1)


軟膏・クリーム剤

 皮膚にできた疾患、または傷などにつける薬です。軟膏の”膏”は”あぶら”の意味で、ゴマ油、ロウ類、豚脂などの植物や動物の脂や、ワセリン、パラフィンなどの鉱物性の油などが基となってできています。これに化膿止め、かゆみ止め、ビタミン、炎症を鎮めるホルモンなどを練り合わせたものが、軟膏、クリーム剤です。
 軟膏は、多少べたつきはありますが、皮膚の保護力に優れ、皮膚が赤くただれていたり、ジュクジュクしているような場合に使用します。
 クリーム剤は、成分が皮膚に浸透しやすくなっており、カサカサした所などに使用します。
 手指をきれいに洗い、清潔にしたうえで、1日数回、適量をぬります。入浴後にぬるのも効果的です。
 効き目が悪いからといって、医師が指示した回数以上に塗ってはいけません。症状が悪化したり、思わぬ副作用が出てしまう可能性があります。


目薬

 目のかゆみや炎症、白内障の治療などに使われます。
 頭を後ろに傾け、下まぶたを軽く下に引いて、1〜2滴落とします。その際、目頭をおさえて、鼻腔に薬が流れるのを防ぎましょう。
 容器の先がまつげやまぶたに触れると、中の液が汚染されるため、触れないように注意してください。
 2種以上の目薬を使用する場合は、初めの目薬を点眼して5分位たってから次の目薬を点眼してください。これは、初めに点眼した目薬で目の中がいっぱいになっているので、続けて次の目薬を点眼しても液が目から外へ流れてしまい、薬の効果が半減してしまうためです。
 コンタクトレンズの方は外してから点眼してください。


眼軟膏

 目の周りや内側の粘膜に使用することのできる塗り薬です。軟膏は目の中に長くとどまっているため、点眼薬よりも長く効果が保てます。

 頭を後ろに傾け、下まぶたをひいて、まぶたの内側に横に細長くつけます。その後、目を閉じてその上を軽くマッサージし、軟膏を全体にのばします。初めはぼんやりしますが、しばらくするとなおります。
 チューブの先がまつげやまぶたに触れないように注意してください。


貼り薬

 −湿布薬ー
 痛みを和らげ、炎症を鎮める働きがあります。
 湿布には、冷湿布と温湿布があります。

冷湿布 冷やすことにより、血管が収縮して血行がゆるやかになり、赤く腫れたり熱をもった炎症を鎮め、痛みを和らげます。
温湿布 温めることにより、血管を拡張して血行を良くし、炎症や痛みをやわらげます。
『注意』 入浴直前まで貼っているとヒリヒリしますので入浴の30分以上前には、はがしてください

 最近は、痛みや炎症そのものを取る成分が含まれている湿布も増えてきています。

病気・症状 使い分け 注 意 事 項
ね ん ざ 冷   湿   布 腫れがひくまで冷やす
打   撲 はじめ冷やし
その後
温湿布
2〜3日間、冷やす
外傷があるときは傷の処置をしてから周囲を冷やす
腰   痛 温   湿   布 入浴も有効
関節リウマチ
神 経 痛
肩  こ  り
温   湿   布 入浴も有効
腹   痛 温   湿   布 ただし、虫垂炎の疑いがあるときは温めるのは厳禁
骨   折 ど ち ら も 厳 禁 医師の診断を受ける
1日1〜2回とりかえましょう。

 *パップ剤
    特殊な布などにお薬を塗りつけたもので、水分を多く
    含み、厚みがあります。

 *プラスター剤
    プラスチック製フィルム、布などに薬剤を含ませた
    粘着剤を塗布したもので、テープのように薄いのが
    特徴です。


 −他の貼り薬ー
   硬くなった皮膚をやわらかくするような局所作用を目的
  にしたものと、狭心症のお薬や気道を広げて呼吸を楽に
  するお薬、婦人科のホルモン剤などの全身作用を目的
  にしたものがあります。貼る場所、貼り換え時期を指示
  通りにしないと、期待した効果が出ないことがあります


 ★
 汗をかいた時や水がついている時は、よく拭きとってから使って下さい。お風呂上がりは血管が拡張していて吸収が良く効果的です。皮膚が弱い人では刺激が強すぎて発赤することもあります。特にかぶれやすい体質の人は、ガーゼを1枚あて、その上に湿布を貼ることも1つの方法です。
 保存する時は、直射日光や高温を避け、湿布の入った袋の取り口を折り曲げて外気に触れないように保存してください。                            ★ 


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